2010年08月29日
ちょっとアートなお話
へなちょこ男子が今よりもさらにへなちょこだった昔、学生時代に描いた絵です。
なんとも幼稚な絵ですなぁ・・・

数年ぶりに見て、自分でもあまりの稚拙さに驚きました。
ぱっと見まぁまぁ描けてるようにも見えますが、写真をただ描き写しただけ・・・
なんの感情も伝わってきませんねぇ。
だったら載せるな、って感じですが、まぁ、へなちょこ男子の一面の紹介と言うことで・・・
この絵のダメさが分かるようになっただけ目が肥えたと思うことにしましょう。今日のところは。
超へなちょこな絵についてはこれくらいにして、本題です。
もう終わってしまったけれど、先月、国立新美術館へオルセー美術館展を観に行ってきました。
一番のお目当てはセザンヌの静物画、《台所のテーブル(篭の静物)》です。(リンク先の一番上の絵です。)
セザンヌのテーブルがある静物画は美術の教科書とかによく出てきますね~。
本やテレビではよく観るテーブル系のセザンヌの絵ですが、実物は観たことがありませんでした。
なぜこのテーブル系の絵が観たかったかと言うと、この絵が西洋絵画の常識だった遠近法を破った革新的な意味を持つ絵だからです。
よく観るとテーブルが布の左右でずれています。
画家の視点がテーブルの右側と左側とで違っていて、別々の角度からみているんですね。
テーブルだけじゃなく、果物もポットも壺も篭もバラバラの視点から描かれています。
果物が入った篭はテーブルの端にギリギリで載っていて、実際には落ちてしまいそう。
そんなバラバラな視点で描かれているのに、絶妙な構図で不自然さを感じさせないのがセザンヌの技術の凄さ、みたいな事を日曜美術館で解説してました。
ま、その辺はよくわかんないんですけど・・・
そして、そんな従来の常識を破った絵に感銘を受けてピカソやジョルジュ・ブラックが起こした芸術運動キュビズムが生まれたんですね。
キュビズムについて更に詳しくはwikipediaのキュビズムを参照ください。
キュビズムも平面の絵の中で画家の視点がヒョイヒョイ変わります。
というか、視点の飛躍がセザンヌよりも遥かに顕著で、写実性が薄れています。
それぞれの物や部位(人物なら目、鼻、口とか)を画家が一番印象の強い視点、一番描きたい視点から描いているんだと思います。
今回のオルセー美術館展には、一枚だけピカソの絵がありました。
それもセザンヌの静物画を観て、振り返ったところに!
セザンヌの静物画と同じ、テーブルの上の静物画でした。
ニクい演出だなぁ
正直、セザンヌもピカソも、絵の良さは素人男子には分かりません。
でも、批判を恐れず常識を破り、自分が表現したいモノをどうやったら表現できるのかを追求し続けた偉大な画家たちの心意気が好きです。
Posted by aria at 02:13│Comments(0)